【G大阪 vs 浦和】 浦和ウォーミングアップコラム:高木俊幸、雌伏の時を超えて

2016年10月14日(金)

「ウォーミングアップコラム」は、試合に向けてのワクワク感を高める新企画。ホームクラブの担当ライターが、いろんな視点から、いろんなテイストでみなさんに情報をお届けします!
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決勝進出の立役者と言っていいだろう。高木俊幸(写真)はルヴァンカップでここまで4得点を決め、チームメイトの興梠慎三らを抑えて得点ランクトップに立っている。
ACLに出場していた浦和レッズは準々決勝からの参戦だったため、4ゴールはわずか4試合で残した。しかも、固め打ちではなく、4試合でゴールがなかったのはFC東京との準決勝第2戦のみだが、その試合でもポスト直撃の惜しいシュートを放ち、興梠のゴールをアシストするなど決定的な仕事をしていた。

現在はリーグ戦でも主力としてシャドーの一角を担うようになっているが、今シーズンは不遇をかこう時期もあった。選手層の厚い浦和では、実力のある選手でもポジションを掴み取ることはおろか、ベンチにすら入れない時間を過ごすことも少なくない。今年の高木もまさにそうだった。
移籍する前から先発で出られるとは限らないと覚悟していたものの、ピッチに立つ可能性すら与えられない状況が続くのは精神的に堪えるものがあった。「去年はまだ、ベンチには入れていたんですけど、ベンチにも入れないというのはなかなかなかったので難しい」。そう吐露することもあった。

だが、それでも心が折れなかったのは、近くに見習うべき存在がいたからだ。それは平川忠亮であり、那須大亮のような実績十分のベテランたちだ。彼らもまた、ベンチから遠ざかる日々を過ごしていたが、その境遇を恨んでやる力を失うのではなく、むしろレギュラー陣以上に心を奮い立たせ、いつ出番が来てもハイパフォーマンスが出せるように入念に調整を続けていたのだ。その姿を間近で見ていた高木が何も感じないはずもなかった。
今の高木の活躍を見れば、乗りに乗っていると誰もが思う。ルヴァンカップ男。彼の調子の良さを見れば、そういった表現が頭に浮かんでくるかもしれない。だが、高木は決して“ラッキーボーイ”ではない。

10月6日に行われたワールドカップ予選の日本代表対イラク戦後、2試合連続ゴールを決めた原口元気は、最終予選のラッキーボーイになれるのでは、と報道陣から質問された。その時、原口はきっぱりとこう答えた。

「いや、運だと思っていません」

結果が出たのは偶然なんかじゃない。普段いかに真剣に取り組み、高い向上心を持って戦ってきたかということの表れだ。そう思えるだけの日常を過ごしてきたという確信が、原口の言葉には宿っていた。

高木も同じだ。自分の課題から目をそらさず、それを克服しようと必死に汗を流してきた。試合に出る出ないに関係なく、あるべき自分の姿に追いつこうと全力でトレーニングに打ち込んだ。ある時、高木はこんなことを言っていた。
「練習はウソをつかないと言いますけど、本当にそうなんだなと。練習でやっていないことは絶対に試合でもできません」

10月15日、埼玉スタジアム2002。決勝の舞台で高木が決定的な仕事をしたとしても、それは決して偶然なんかじゃない。

文:神谷正明(浦和担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 決勝
10月15日(土)13:05KO 埼玉
ガンバ大阪 vs 浦和レッズ

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