【沼津 vs G大23】 ウォーミングアップコラム:「いぶし銀」菅井拓也が見据えるもの

2017年5月20日(土)


アスルクラロ沼津には、ここまでリーグ戦全試合でフル出場している選手が複数名いる。だが、DFラインより前のポジションでは菅井拓也(写真)だけだ。

今季の沼津のサッカーはスタイルがはっきりしている。DF尾崎瑛一郎やDF藤原拓也から、右サイドのFW中村亮太へ長いボールを送る。そこを起点に中央へクロスを入れ、中で前線の選手が合わせるという形だ。また守備では、前線から積極的にプレスをかけ、高い位置でボールを奪いに行く。そこで奪えれば、ゴールまでの最短距離を前進する。すべてのアクションがゴールを目指すことを前提に展開されており、手数をかけないシンプルな形は清々しさを感じる。

その中でひときわ重要になるのが中盤だ。ロングボールを多用する戦術の中で優位に試合を進めるためには、中盤でのセカンドボールの回収が欠かせない。競り合った末にどこにボールが落ちるのかという予測、拾ったボールをどこに展開するかという判断、狙った場所には正確に供給する技術、それらをすべて高い水準で備えている選手が必要になる。それらを淡々とこなす菅井の姿は、まさに「いぶし銀」と言えるだろう。派手なプレーは決して多くないが、要所要所で相手がもっとも嫌がるプレーを選択できる。

第7節の相模原戦で​は、サイズの大きな選手が並ぶチームを相手に、いつも以上にロングボールが多い展開になった。試合後、菅井は「相手のシステムもあったので、単純にプレスバックするだけでなく、マークを優先する場面もあった」と語っていた。これは試合展開を冷静に見つめ、分析しなければ決して出てこない言葉だ。​こうしたコメントの節々や、試合中に随所で見せるプレーからも、菅井の戦術的インテリジェンスの高さが垣間見える。

次節の対戦相手はG大阪U-23。​最下位を相手にきっちりと勝点を積み重ねたいところだが、若いチームは勢いに乗せると何が起こるか分からない。相手の流れを削ぐためにも、菅井の働きは欠かせないだろう。

文:中村僚(沼津担当)


明治安田生命J3リーグ 第9節
5月21日(日)13:00KO 愛鷹
アスルクラロ沼津 vs ガンバ大阪U−23