【岡山 vs 横浜FC】 ウォーミングアップコラム:GK・一森純の思い。

2017年5月20日(土)


前節・愛媛戦で、2点リードされた後半アディショナルタイムに、GK・一森純選手(写真)は前線へと駆け上がった。「0−2でキーパーが上がることはあまりないと思いますが、何か変化を起こしたい、勝ちたいという気持ちで、気づいたら走ってました」。

第13節・福岡戦では、ウェリントンのシュートを繰り返しファインセーブした。「やらせない」、という気迫あふれるパフォーマンスは、興奮と安心感をもたらし、GKはこのような瞬間を積み重ねて、信頼を勝ち取っていくものだということを、見せてくれた。「(自分の思いが)見てくれている人や一緒にやっている選手に伝わると、間違いなくチームの力になると思うんです。福岡戦は最後にやられちゃって負けましたが、でもキーパーが勝ちにつなげられるなら…。それが僕の理想です」。

福岡戦の89分の失点は、「ディフェンダーは何十回、何百回防いでも、最後にやられたら意味がないんです。自分のいろんなことが少しずつ足りていないから、この失点に繋がったんだと思いました」と言う。

そして愛媛戦翌々日は、GKの4選手も1時間以上、居残りで練習をした。「すべての能力を上げなければ、という思いです。成長しない限り、チームに貢献できない。成長できるようにもっと練習して、試合に向けてはしっかりとケアをする。量と質の両方を大切にしたい」。1日の24時間をサッカーに捧げるプロフェッショナルの言葉だ。

中学・高校とC大阪の下部組織に所属していた。泉佐野市出身で、学校が終わると南野拓実選手の兄と一緒に2時間ほどかけて練習場に通い、帰宅するのは深夜0時半過ぎ。「帰りはお腹が空きすぎて。けど、疲れてごはんを食べずに寝てたから、めっちゃガリガリで。今思うとよくやってましたね」。

篠原弘次郎選手とは同期だった。篠原選手に聞くと一森選手は、「中学校から一緒やから心強いですね。性格は真面目だし、雰囲気を明るくしようとする良いヤツです」。一森選手にとっての篠原選手は、「熱いところは昔と同じ。そこに冷静さが加わって、誰よりも努力するようになった。あいつも良い人に巡り会う運があったと思います。岡山が簡単に見捨てていたら人生が終わってたと思うんで、そのへんで弘次郎も思うところがあって、今、絶対に守ってやろう、となってるんだと思います」。

昨年まで3年間プレーした山口では、JFLからJ3、J2へと1年おきに昇格を果たしたクラブの様子をしっかりと見つめていた。「ファジアーノも這い上がって来たクラブだから同じだと思うんですけど、サポーターと地元の企業とクラブのスタッフ、選手が一体となって、すべてを出しきった時、上がれるということを実感しました。岡山でもそういう雰囲気は感じていて、サポーターの人や選手、スタッフ全体で盛り上げようとする姿勢が僕は大好きです」。

一森選手が話す大阪弁は優しい響きだ。「柔らかくしてるんです」と笑う。でも心は強い。彼が持っているような思いがいくつか重なった時、現状からの突破口が開けるのだと思う。

文:尾原千明(岡山担当)


明治安田生命J2リーグ 第15節
5月21日(日)13:00KO Cスタ
ファジアーノ岡山 vs 横浜FC