【秋田 vs G大23】 ウォーミングアップコラム:チームの「当たり前の基準」を高める秋田。キャプテンの山田尚幸は目標に向け、冷静に歩みを進める

2017年8月26日(土)


秋田のリーグ戦が再開する。G大阪U-23に今季初黒星を喫し(2●1)、続く沼津にも敗戦(0●2)。チームはこの連敗を「良薬」と捉えて、約1ヶ月の中断期間でトレーニングに励んだ。そして迎える今節の対戦相手はG大阪U-23。秋田の現状を知る、これ以上ない一戦となりそうだ。

2年連続でキャプテンを務める山田尚幸(写真)にとって、リーグ前半戦は大量失点のために後味の悪いものとなった。「次の試合、次の試合とやっていたので、前半戦で印象に残った試合はそれほどなくて。ただあれだけ勝ち星を挙げたなかで、最後のほうで複数失点してしまったこと。もうちょっと守れたんじゃないかというのは頭にあります」

山田が指摘するように、秋田は連敗前のYS横浜戦でも3失点している。その試合では4得点を奪い攻撃力で勝ち切ったが、YS横浜戦までの14試合で6失点だったチームが、それ以降の3試合で7失点しており、課題のひとつが守備にあることは明らかだった。

「チーム全体で守備できていなかった部分が出て、失点が増えた。たとえば前はボールを奪いに行きたいけど、後ろはまだ行こうと思ってないという感じで、噛み合ってなかったんですね。開幕してしばらくは、前から守備に行ってうまくボールを取れていたシーンが多かったんですけど、相手も分析してうまくプレスを剥がしてきました」

秋田は試合日程により、他チームよりも中断期間が1週多かった。ひと足早くリーグ戦が再開するなかで、秋田は4日間のミニキャンプを実施。そのなかで選手たちは、しっかりと話し合う場をもったという。

「キャンプ前からみんなで話そうと言っていたんですけど、いい機会がキャンプであったので。前、中盤、後ろの選手でグループを作り意見を出し合って、最後にその3つが討論する形です。その結果、3つとも守備がバラバラだと感じていることがわかりました。守備では後ろの声がメインになるので、後ろが連動しないことには前がプレスに行っても無駄になる。後ろの声に重きを置きながら、後ろの状況がOKなら前にちゃんとコーチングをする。それでも前の選手は自分のタイミングで『これは取れそうだな』と思ったら奪いに行きたいので、後ろもその思いを汲んで、前が行ったらうまく連動しようとか、そういった話をしました。前に出て話さないようなような選手も話す場ができたし、チームの共通理解を深められる、いいコミュニケーションが取れたと思います」

もう一つの取り組みとして、チームは「当たり前の状態の基準」を上げようとした。「中断期間に入って『高常心(こうじょうしん)』という言葉を掲げていました。高いモチベーションで運動量を上げて、自分のなかの意識を常に上げながら、なおかつ平常心を保っている状態。それが僕たちのなかでは普通であるように取り組んできました」と山田は振り返る。杉山弘一監督はこれまでもコーチングをしてきたが、改めてチーム全体に向けて話したのはキャンプが初めてだったという。

山田自身も、もっと状態を上げられると感じている。「個人的にもっとやらないと、というのはありました。前半戦で高いモチベーションと運動量があったとしても、あと1歩が動けていたのか、長いランニングができていたのか。ボランチの片割れなので全体のバランスを取る必要もありますけど、相手FWが1枚あるいは2枚の状況で、後ろが4枚残っていたら、そこはもう少し攻撃に行ってもいいんじゃないかとか。そうした働きかけは、チームでうまく修正できていると思います」

チームがさらにギアを上げるために、キャンプを含む中断期間のもつ意味合いは大きいように思える。しかし山田は「それは結果次第」と冷静だ。杉山監督も「周りにとらわれすぎずに落ち着くことが大事」として、「G大阪U-23に対して、前回の借りを返すぞというと、変に力が入ってしまう。あまり気負いすぎずに落ち着いて、後半戦の試合のひとつと考えて、まずは自分たちの良さが出せるような姿勢で臨みたい」と話している。もちろん2人の冷静なコメントのなかには、高いモチベーションがあるのは間違いない。

山田はキャプテンとして、今季のチームカラーを「だらけない感じがある。若い選手が多く、年齢が上の選手も真面目で、なかなかぶれないというか、ひとつの目標に向かっていける選手が集まったのかなと思います」と捉える。秋田が今節、その目標への一歩を再び踏み出す。

文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第20節
8月27日(日)15:30KO A‐スタ
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