【G大阪 vs 神戸】 ウォーミングアップコラム:プロ19年目のベテランが燃やす『プロ魂』。

2017年9月2日(土)


GK藤ヶ谷陽介(写真)が直近のYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦で、公式戦のピッチに立ったのは、6月21日の天皇杯2回戦以来、今季3度目のこと。長いキャリアと経験値を誇る彼だからこそ、試合前に話していた「特別なことは何もない。普段通りに準備、普段通りに試合を迎えて、やるべきことをやるだけ」との言葉通り、落ち着いて90分を戦い抜いた。
「試合終盤こそ、大きな展開になったというか、互いに点が欲しいがゆえのカウンター合戦みたいな感じになり、何度か相手にシュートも打たれましたが、そこだけでしたね。全体を通してみれば、警戒していたポドルスキも後ろにやや下がって捌いてからゴール前に入ってくるという感じだったことから、殆ど自由にやらせなかったし、ゆっくりとした相手のボール回しにも、フィールドのみんなが焦れずに体を張ってくれていた。もちろんアウェイゴールを取れれば理想的でしたが、負けなかったこと、点を取られなかったことは次に繋がる。しっかりホームで勝って準決勝進出を決めたい」

今年でプロ19年目を迎えている。ガンバ大阪だけのキャリアでみれば、12年目を数えるチームの顔だ。そのキャリアにおいては05年のJ1リーグ初優勝に始まった、ガンバ大阪の『タイトル』の歴史に大きく貢献。最近は控えに回ることが増えたものの、試合に出るか否かに関わらず、変わらない温度で準備を続けている姿は、後輩たちにとっても、また年齢の近いキャリアの豊富な選手にとっても、大きな刺激になっている。しかもその『準備』がいかに大切かということを、ピッチに立つたびにプレーで証明し続けているからこそ、藤ヶ谷に対するチームメイトの信頼も揺るぎない。

もっとも、今年に関して言えば、彼にとっては例年にない悔しさを味わったシーズンという見方も。
というのも、今季のJ1リーグ4節の浦和レッズ戦でのこと。ホームでのビッグマッチを前に、GK東口順昭のケガによる離脱を受け急遽、GK藤ヶ谷が先発出場することに。今季初の先発出場にも動じることなく、再三にわたって浦和の前に立ちはだかったが、1点リードで迎えた73分に、左ふくらはぎを痛めて途中交代。その後、チームはアディショナルタイムに浦和にPKでゴールを許し、引き分けで試合を終えている。その試合後、なんとも言えない表情を浮かべて語っていた言葉が蘇る。
「本当に、情けない。僕にとってはチャンスだったし、途中交代でチームにも迷惑をかけた。前半は危ないシーンもありましたがなんとか耐えて0で進められていたし、自分のプレーも落ち着いてやれていただけに、情けない」
1点の重み、勝点の重み。それらが長丁場の戦いでどれほど大きな意味を持つかを知っているからこその言葉。その証拠に、浦和戦での負傷以来、藤ヶ谷はより綿密に体のケアを行うことで、練習も含め、一度も戦列を離れることなく戦い続けている。
そこに、藤ヶ谷のプロ魂を見る。

文:高村美砂(G大阪担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦
9月3日(日)19:00KO 吹田S
ガンバ大阪 vs ヴィッセル神戸