【名古屋 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:ピッチ外でも、ピッチ内でも。「シャビエル祭り」の盛況ぶりに期待。

2017年9月8日(金)


大分を迎え撃つ一戦は、会場がシャビエル一色に染まる試合となるかもしれない。見た目にも。

来日した週末の京都戦でいきなりデビューし1得点、試合は負けたが強烈なインパクトとともに名古屋の一員となったガブリエル シャビエルは、そこから8戦で3得点10アシストの大暴れ。それ以外にも“アシストの一つ前”のチャンスメイクで6得点を演出しており、松本戦と町田戦でチームが挙げた9得点全てに絡むという離れ業も演じてみせた。7月30日の25節から見せた5連勝の原動力は間違いなく彼であり、チームは急きょ大分とのホームゲームを「シャビエル祭り」と題して様々な催しを企画。中でも1500円以上のグッズ購買者に配られるお面はわざわざそのために撮影までしたという気合いの入りようで、シャビエル本人も「このマスクを持っている人がスタジアムに多くいるということになれば、それは嬉しいよね」と屈託のない笑みをこぼす。

前述のごとくチームの攻撃における中心人物となった背番号44だが、前節では水戸のピッチコンディションの悪さに苦慮し、コーナーキックから同点ゴールをアシストするのがやっと。それでも結果を残してしまうのだから恐るべき能力の高さではあるのだが、自由奔放かつ相手の急所を突くようなチャンスメイクは鳴りを潜めたというのが正直な感想だ。それだけにピッチコンディションには定評あるパロ瑞穂での一戦に、再びの大活躍を期待してしまう部分は大きい。今節ではフォーメーションを変える可能性もあり、その場合は出場停止明けの田口泰士と中盤上がり目のポジションでコンビを組むことが濃厚。「泰士は重要な選手だよ。彼がいればチームはダイナミックな攻撃ができる」と田口の復帰を喜ぶその背景には、自分がよりゲームメイカーからチャンスメイカーに徹することができるという算段もあるのかもしれない。それはチームにとっても何よりの追い風となるのは言うまでもない。


改めて8試合が経過してわかってきたシャビエルの特質は、まずその視野の広さが挙げられる。「ウチの11対11のハーフコートゲームにいきなり入ってやれちゃう選手は初めてだよ」と風間八宏監督も驚嘆した能力の高さは、フットサル仕込みの技術の高さもさることながら、ピッチを俯瞰しているような空間認識能力あってのことだ。ここまで二桁のアシストを記録しているキックの精度の高さも、味方の選手にピタリと合わせるためには空間を正確に認識する力が必要である。流れの中からDFラインの裏に落とす柔らかいフィードもまた、彼の持ち味の一つとして注目してほしいプレーの一つ。名古屋のアタッカーたちは口を揃えてこう言う。「走れば出てくる」と。

今節では田口のほか玉田圭司との競演も可能性が高まっており、名古屋が誇る左利きのスーパーテクニシャンたちが奏でるハーモニーには誰もがワクワクするところ。「タマさんはエクセレントなプレーヤーだよ。素晴らしい技術と試合を読む力があって視野も広い。何よりワールドカップでプレーした選手だ。そんな選手とプレーできるのは嬉しいよね」と、シャビエルもやや興奮気味に語る。フットサルかサッカーか、という選択に迫られた14歳の時分。ワールドカップやヨーロッパで大活躍するロナウドやロナウジーニョ、リバウドらに憧れサッカーを選んだ男である。2006年にブラジルからゴールを奪ったストライカーとのプレーは、それだけで胸躍るものなのだろう。

ゲームメイカーの田口が戻り、フィーリングの合う玉田や青木亮太らが近いポジションでプレーし、最前線でのシモビッチは4試合連続得点中と絶好調。シャビエルが躍動する要素はこれでもかと揃っている。試合前から盛り上がりを見せるであろう「シャビエル祭り」は、ピッチ上でその本番を迎えることになりそうだ。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J2リーグ 第32節
9月9日(土)18:00KO パロ瑞穂
名古屋グランパス vs 大分トリニータ