【G大阪 vs 神戸】 ウォーミングアップコラム:日本代表戦から戻った井手口陽介。『今度はガンバで目に見えた結果を追求していきたい』。

2017年9月8日(金)


いつもより倍近い報道陣に囲まれても、井手口陽介(写真)はやはりいつも通りの彼だった。

9月7日の練習後の話だ。この日、ワールドカップアジア最終予選を戦い終えてチームに戻った井手口は、11時から始まったチームの練習に参加。もちろん、ロシアワールドカップ出場を決めたオーストラリア戦と、アウェイでのサウジアラビア戦の2試合にフル出場をしたことを踏まえ、厳密には別調整になったようだが(練習は非公開)、チームメイトと談笑しながらクラブハウスを飛び出すと、練習終了後、集まった報道陣を前にしても、いつものようにゆっくりと言葉を紡ぎ、気持ちを言葉に変えた。

「体はキツくないといえば嘘になりますが、試合がすぐにあるので、そこはコンディション的にもあわしていかなければいけないと思うし、調整する時間は短いですが、大丈夫です。ロシアワールドカップの出場権を得られたことは本当によかったけど、アウェイ戦を勝って予選を終われなかったのはチームとしての弱さが出たんじゃないかと思う。自分自身もまたガンバでもっと成長できるように頑張っていきたい」

今回の日本代表戦における収穫は多かったという。どんな試合でも平常心で臨むことが大事だと感じられたこと。守備から攻撃に切り替わった際のつなぎのボールや裏へのボールの精度をもっと高める必要があること。そして、再び、ああいった痺れる舞台で戦うために、所属チームで目に見えた結果を残していかなければいけないと再認識したこと。であるからこそ、井手口はすでに、目の前のJ1リーグ戦に気持ちを切り替えている。

「今回の試合を通して、本当にプレッシャーのかかる試合でも平常心でいれば自分の持ち味を出せるということは感じたし、その経験は、ここから先、タイトル争いが熾烈になる終盤戦でも必ず生きてくると思う。裏を返せばガンバでもこれまでルヴァンカップや天皇杯の決勝などを経験させてもらってきたことが、ああいう舞台でのゴールにもつながったとも思う。だからこそ、今後もガンバで、Jリーグで毎試合、ゴールやアシストなど、目に見えた結果を追求していきたいし、チームを勝たせられるような存在感を示せる選手になっていきたいと思う」

今節はワールドカップアジア最終予選終了後、初めてのJ1リーグ開催だが、あの緊張感のある代表戦の舞台で大仕事をやってのけたインパクトの強さもあってだろう。クラブ関係者によればワールドカップ終了後、チケットの販売数は伸び続けていると聞く。そのことからもしばらくは『井手口フィーバー』が続きそうだが、冒頭に書いたように、そうした状況に踊らされる彼ではない。リオオリンピックに選出された際も、それを戦い終えた後も、淡々と自分のプレーを追求し、数多くの試合経験を積む中で自身を鍛えてきたように、ここから先も自分のペースで前に進み続けるはずだ。

「自分のやるべきことは変わらないし、プレーを変えることもない。予選でゴールを決めたからといって本大会に選ばれる保証はないし、そこはあまり意識せずに、チームでしっかり戦うことだけを考えてやっていきたい」

もっとも、彼が「変わらない自分」を貫こうと、サッカーファンが彼のプレーに期待するのは自由だ。実際、『世界』を戦うことの経験値が彼にどれほどの財産を備えさせたのか、確認したいと思っているファンも多いことだろう。であるならば、週末は市立吹田サッカースタジアムへ。ぜひともその目で『現在』の井手口陽介を楽しんでもらいたい。

文:高村美砂(G大阪担当)


明治安田生命J1リーグ 第25節
9月9日(土)19:00KO 吹田S
ガンバ大阪 vs ヴィッセル神戸