【山形 vs 熊本】 ウォーミングアップコラム:守備も攻撃も。存在感増す安西海斗

2017年9月23日(土)


柏から育成型期限付き移籍で山形の一員になったのは7月13日。その週末の第23節・名古屋戦にいきなりベンチメンバーに名を連ねた。そこでの出場はなかったが、翌節には先発で山形デビューを果たし、フル出場で首位・湘南戦の3-0撃破に貢献。前半は遠慮もあり、トラップミスでボールを奪われるなど、本人も「全然満足できる内容ではなかった」が、意を決した後半はメンタルもプレーも立て直した。

「何より一番いいなあと思うのは、全然怖がらないで、密集も含めて攻守ともにやっていける。本当に技術とタフさのある選手」。そう起用の理由を明かしたのは木山隆之監督。ボランチで初めてコンビを組んだチームキャプテン・本田拓也も「いいですよ。さばけるし、守備もそこそこいけるので。もっともっと良くなると思います。本当にポテンシャルが高いと思いますし、いい選手だと思います」と19歳の能力と可能性に言及していた。

それから約2ヶ月。チームは開幕当初の3バックから4バックへ、そして中盤もダイヤモンドに変わり、よりボール保持を重視するスタイルへの傾斜を強めている。それにつれて安西海斗(写真)の存在感も増しているように見える。柏の下部組織で培ってきた足元のプレーはテンポよくさばくだけでなく、相手の急所へ差し込む縦パスでも目立っている。「自分が前を向いたときにみんな動き出してくれるので出しやすい」。チーム内での相互理解も深まった。

足元の技術が高い選手は、守備や球際に強さを出せなかったり苦手とする傾向がある。しかし安西に関しては、福岡戦で大柄なウェリントンに対して見事なスライディングタックルでボールを弾き出すなど、そうした苦手意識は見られない。その背景には、彼のプレーを見続けてきた“陰のコーチ”の存在がある。

「中学・高校のときからずっと父には『守備がダメ』と言われてたので、そこはずっと意識してた感じです。寄せるところだったり、ボールを取りにいくところだったり。毎試合言われますね。『守備はもっと行ける、行ける』って」

山形は現在、プレーオフ圏内まで勝点7差の12位。ベンチ外も含めた選手・スタッフ全員がチームに最大限の貢献をしてようやく届くかどうかという距離だ。ただ不可能ではない。

「このチームはシーズンの途中からの加入ですけど、本当にこのチームで勝ちたいし、上がりたい」
その思いが叶ったとき、安西はチームのさらに重要な位置を占めているはずだ。

文:佐藤円(山形担当)


明治安田生命J2リーグ 第34節
9月24日(日)15:00KO NDスタ
モンテディオ山形 vs ロアッソ熊本