【山口 vs 名古屋】 ウォーミングアップコラム:背番号1の矜恃。勝利呼ぶ村上昌謙のファインセーブ!

2017年10月6日(金)


背番号1がピッチに帰ってきた。GK村上昌謙(写真)は7月23日の岡山戦で左手を負傷。手術を受け、夏場はリハビリに専念してきた。照準を合わせていたという9月30日の福岡戦で守護神ナンバーのユニフォームに袖を通し、グローブを填めた手を叩いて声援に応えた。

その福岡戦は1-2の黒星。「あのタイミングで使ってもらい期待してもらったのに勝てなかった。監督と平井さん(GKコーチ)には申し訳ない」と悔やんだが、セットプレーのボールを跳ね返したり、相手シュートを枠外へと逃したりと健在ぶりを見せつけた。カルロス マジョール監督は「良かったと思う。失点に関しては村上選手が関わったというわけではなかった」と評価し、平井直人GKコーチは「久々の出場でバタバタしているところはあったが、良くやってくれている。彼の良さはアグレッシブな姿勢。それは発揮してくれていた」と動きを称えた。

ただ、平井コーチは「今求められているのは結果。勝ちにこだわってやってほしい。どういう状況でもコーチングだったり、ゴールマウスを守るためにできる仕事はある」とさらなる成長を促す。

復帰戦の前半、山口はペナルティエリア内でのディフェンスが後手に回り、PKを献上した。その時間帯、村上からはDFの背中が物理的に大きく見えていた。DFがあまりにも近く、チーム全体が下がりすぎていたのだ。「苦しい時間が多かった。ずるずると下がりすぎないようはっきりしたプレーは心がけていたが、押し込まれて失点もした。簡単にクロスを上げさせないことやマークの受け渡し。そういったのを責任をもってやろうとハーフタイムに確認した」(村上)。追加失点が致命傷になると危機感を抱き、DF陣と声を掛け合った。その修正が生き後半は奪う場所が高くなる。終盤には前貴之が追撃点を挙げ、負けはしたものの得失点差のマイナスを1に留め次戦に繋がるゲームを作った。

村上のストロングポイントはハイボールの処理とシュートストップ。今節は高さも強さもある名古屋をホームに迎えるだけに、村上のプレーはいっそう重要になる。不安要素といえば攻守の連係面。山口は出場停止選手がいたり、ケガ人がいたりとメンバーがなかなか揃わず、その面ではGKのコーチングが頼りになるだろう。「(福岡戦で)メンバーがイレギュラーになった時にお見合いしたり、連係が取れないこともあった。でも(メンバー構成を)言い訳にしてはいけない。そういうミスをしないようにするのもGKの仕事」と力が入る。

残り7試合、山口は降格圏脱出を懸けて汗を流し、来季へ繋げていくしかない。勝点を拾うにも無失点がキーファクターだ。村上は「福岡にもたくさんのサポーターが来てくれていてすごくやりやすかった。でも帰ってくるだけではだめ。その意味ではまだまだだと思う」と己に向かって鞭を打ち、こう続けた。「名古屋はいい形で入ってくるだろう。その勢いを受けてしまうと絶対にやられてしまう。名古屋に立ち向かう気持ちを持って試合に入りたい」。背番号1の矜恃。村上昌謙がコーチングに、ファインセーブにと活躍し、維新公園に歓喜を運ぶ。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第36節
10月7日(土)15:00KO 維新公園
レノファ山口FC vs 名古屋グランパス