【藤枝 vs 沼津】 ウォーミングアップコラム:地元出身の助っ人トリオ(伊藤槙人、北川滉平、薗田淳)が語る、静岡ダービーへの熱い想い

2017年10月7日(土)


「もうひとつの静岡ダービー」こと藤枝vs沼津の地元対決。沼津が今季J3に昇格したことで実現した新たなダービーマッチで、まだ歴史は浅いが、対決の構図としては楽しみな要素が非常に多い。

サッカーどころ静岡の中で、藤枝は“元祖サッカーの街”と言えるいちばんの老舗で、逆に東部の沼津は静岡県内では新興地域。藤枝ブランドの復権を目指すクラブと、新たな沼津ブランドの確立を目指すクラブという立場の違いが、まず背景としておもしろい部分だ。
そして、サッカーのスタイルも非常に対照的。藤枝は足元でしっかりとパスをつなぎながら崩していくという伝統的な藤枝スタイルに徹底的にこだわっているのに対して、沼津はボールを奪ったらまずゴールを目指すという姿勢が浸透しており、ロングボールや裏へのボールをうまく使いながら現実主義に徹しているのが特徴だ。
今季はJ3リーグ第3節と天皇杯静岡県予選決勝で対戦しているが、リーグ戦では4-1、カップ戦では3-0で2回とも沼津が快勝している。そこでは、藤枝の高いDFラインの裏を沼津がしつこく突き、それによって藤枝の中盤を間延びさせてスタイルを崩したことも大きな勝因のひとつになっていた。
つまり戦い方の相性としては、今のところ沼津が優位に立っているが、藤枝のほうも「今はあの頃(3〜4月)の自分たちとは全然違う」(大石篤人監督)と自信を見せる。「同じ相手、とくに地元のライバルに3回続けて負けるわけにはいかない」(枝本雄一郎)と、選手たちも強い決意を隠さない。
また、沼津はここまでJ3ではダントツの最多得点(1試合平均2.21点)で、藤枝もここ2試合連続6得点と攻撃を爆発させている。お互いに攻撃力に自信を持つチーム同士であり、さまざまな意味でお互いのプライドがぶつかり合う見どころの非常に多いダービーマッチになっている。

そんな中で藤枝の新しいトピックのひとつに、静岡県出身の選手が増えたことがある。夏の補強で加入した伊藤槙人(#35・浜松市)、北川滉平(#32・島田市)、薗田淳(#33・静岡市)の3人だ。全員がJ2からの移籍(伊藤と薗田は期限付き)で実力も十分。薗田は移籍前にケガで離脱していたので少し出遅れているが、伊藤は合流早々スタメンに定着して頼もしい働きを見せ、北川もスーパーサブとして力を発揮し、前節で移籍後初ゴールを決めている。
3人とも子どもの頃から清水エスパルスとジュビロ磐田による静岡ダービーは何度も観ていて、「ファンも燃えるし、選手も燃える熱い試合というイメージです」(伊藤)と特別な試合であることは十分に理解している。とくに磐田ユース出身の北川は「エスパルス(ユース)と試合するときは、週明けから相当強い気持ちを持って臨んでいました」と、育成年代から静岡ダービーには強い思いを持ってきた。
当然、地元のファンが「絶対に勝ってほしい試合」だと強く願っていることは、3人とも十分に理解している。試合の重みをよく理解している選手が増えたことは、藤枝にとっては大きなプラスだ。
「沼津はFW陣が強力ですが、ここ5試合失点が続いているので、ここでもう一度0に抑えて、DF陣のプライドを見せたいです」(伊藤)
「まずは良いコンディションを作って、どういう形で試合に絡むかわからないですけど、出たら最低でも点に絡むという仕事はしっかりやりたいです」(北川)
「自分に(出場の)チャンスがあるとすれば、勝っている展開の終盤にクローザー的な役割で入る可能性が高いと思うので、ケンカじゃないですけど絶対に負けないというところを見せていきたいです」(薗田)

3人それぞれ、プロでは初の静岡ダービーに向けて熱い想いを秘めている。沼津はフィジカルの強さも大きな武器だが、「J2ではそういうチームが多いので」(北川)と強烈なフィジカルコンタクトにひるむこともないだろう。
攻守の切り替えの速さは両チームの共通点で、そこでどちらが上回るのかという点も大きな見どころのひとつ。キックオフの笛からタイムアップの笛まで、ピッチ全体で本当に熱い戦いがくり広げられ続けることは間違いない。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第26節
10月8日(日)13:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs アスルクラロ沼津

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