【栃木 vs C大23】 ウォーミングアップコラム:絶好調の牛之濵拓。目指すべきゴールが奪えるハードワーカーのお手本は、あの韓国の英雄。

2017年10月13日(金)


牛之濵拓(写真)が絶好調だ。
今季の前半戦は1ゴールに留まっていたが、後期戦はここまでの8試合で4ゴール、2アシストを記録。前節のカターレ富山戦でも、先制されたチームを直後に救うアシストを決めてみせた。好調の要因は明確に整理できている。
「一つは、右サイドハーフで試合に出ていることが大きいと思います」

アビスパ福岡時代から慣れ親しみ、昨季所属したグルージャ盛岡で9ゴールを挙げた本職、右サイドハーフで出場するようになり、ボールが見えるアングルなど“しっくりくる”感覚を得られたこと。
もう一つは「考え方が変わった」ことだ。

「前半戦の自分はチームのために走り、チームがいかにうまく回るかを考え過ぎていたところがありました。でも、後半戦はチームのなかで自分がいかに活きるかを考えるようになっています。元々ある運動量は自分にとって明確な武器です。その運動量をどこで使うのかかが大事。むしろ前半戦の自分のほうが今よりもがむしゃらだったと思いますが、今は、慣れ親しんだ右サイドハーフに入ったこともあって、ポジション取りなどを考える余裕が出てきています。相手ボールのときの自分の立ち位置を考えて、チームが守から攻へ移るときのポジショニングがだんだん良くなってくると、(FWネイツ ペチュニクに当てるボールへの)セカンドボールや攻撃の3人目になる動きにスムーズさが出てくるようになったんです」

献身的な運動量はそのままに、ゴールに直結する動き出しに思いを巡らす余裕が生まれると、それがゴールやアシストの量産に繋がった。
今季は序盤戦からレギュラーに定着したが、なかなか結果を掴めず、一時はスタメンを外れた時期もある。このときが自分を冷静に見つめ直す転機になった。考え方を改め、それをトレーニングマッチで試し、掴んだ手応えをしっかりと評価されると、また試合に起用してもらえた、という自信が今に繋がっている。

「この頃から参考に見ているプレーの動画集にも変化がありました。アビスパのユース時代によく見ていた選手なんですが、また朴智星を見るようになったんです」
かつてマンチェスター・ユナイテッドで欠かせない中盤のダイナモとして重宝された韓国の英雄、朴智星。

「もう一度、彼のイメージでやってみようと。朴智星は決して綺麗なプレーはしないけれど、とにかく走り回って、相手にアグレッシブに仕掛けていく姿勢がある。僕にとってサイドハーフのお手本のような選手なんです」

ユース時代によく見ていた動画を引っ張り出してきた牛之濵にとって、原点回帰の意味合いも多分にあったに違いない。そうして自分を見つめ直すなかで迎えた第24節FC東京U-23戦、その前半38分、相手ゴール前でボールを受けた牛之濵は迷わず相手に仕掛けてカットイン、ゴール右隅に鮮やかにゴールを突き刺したシーンがあるが、思い返せば、確かにあれは朴智星のプレーを彷彿とさせるゴールであった。

右肩上がりに調子を上げる牛之濵だが、指揮官が頻繁に口にする「上限はない」という働きかけに真摯に向き合うべく、ここで満足するつもりなど毛頭ない。
「ただ単に走り回るのは前半戦で終わりです。後半戦はそこからの積み上げをプレーでいかに体現できるか。攻撃の移るときの頭の回転の速さ、判断の速さをもっと上げないと上のカテゴリーではまだまだ通用しない。もっとゴールに絡む決定的な仕事がしたいし、そのための準備を練習からしっかりしたいと思います」

いま、好調の牛之濵が明確にイメージするのは、朴智星のようなゴールが奪えるハードワーカーであり、渇望してやまないJ2昇格後の世界だ。

文:鈴木康浩(栃木担当)


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