【藤枝 vs 相模原】 ウォーミングアップコラム:横浜FMから武者修行中の若き守護神・田口潤人が語る、相模原戦にかける熱い想い

2017年10月21日(土)



残り7節となって現在9位の藤枝にとって、今は目標の「トップ5入り」に向けて大きな正念場となっている。今節・相模原戦の後は、栃木、長野と上位との対戦が控えているため、前節・富山戦の完敗からチームを立て直して相模原に快勝し、再び上昇気流をつかむことが必要不可欠だ。
ただ、ひとつ気になるのは、今の相模原が藤枝にとっては苦手とするタイプのチームになっていること。すなわち、リトリートして手堅く守ったところからカウンターやセットプレーで点を取るという形で、ここ2試合は1勝1分と流れを回復しているのだ(その前は3連敗)。
藤枝の大石篤人監督と仲の良い安永聡太郎監督が「どういう戦い方をしてくるかわからない面もある」(大石監督)が、少なくとも相模原は自分たちの優位性を生かそうとしてくるだろう。
そのひとつがセットプレーだ。前節の相模原のスタメンは、身長190cm台が2人、180cm台が4人と、非常に高さがある。辻尾真二のキックも質が高く、前節でも開始13分で右CKから先制点を奪っている。逆に藤枝はセットプレーからの失点が多く、それで先制点を奪われてリズムを崩した試合も目立つ。したがって、セットプレーの攻防は、試合展開を大きく左右する要素になりそうだ。

そうした意味でも注目したいのは、藤枝のゴールキーパーだ。三宅貴憲がケガで離脱している中、20歳の佐藤隼と21歳の田口潤人(写真)という若いGK同士の熾烈な定位置争いがくり広げられている。ここ4試合は佐藤が田口からポジションを奪っていたが、今節は逆に田口がスタメンを奪い返す可能性も出てきている。
田口潤人は、今季J1の横浜FM戦から期限付き移籍してきた選手で、「うちが後ろからビルドアップしていくうえで、足下の技術が高いGKが必要だった」と大石監督は田口を獲得した理由を語る。身長は181cmと高くはないが、横浜FMユースの出身でビルドアップにも関われる足下の技術とキックの精度を備える攻撃的なGKだ。
横浜FMでの2年間は公式戦の出場がなかったが、藤枝に来てからはケガで離脱した時期以外はほぼポジションをつかんでいた。しかし、第21節・鹿児島戦で勝点3を逃す大きなミスを犯し、その後の2試合も精彩を欠いたことで佐藤にポジションを奪われていた。

だが、田口はそこでけっして腐ることはなかった。
「本当に悔しかったですが、その気持ちを逆にパワーに変えて、もっとうまくなるために出られなくなったこの期間をプラスに変えようと考えていましたし、行動できていたと思います」と本人も語る。
大石監督も「J1から来たというプライドをチラつかせることもなく、彼は練習にも本当に早く来て、裏方の仕事もきちんとやっています。ボールに対してもっと前に出てほしい、チャレンジしてほしいという僕の要求に対しても前向きに取り組んでくれていますし、再びピッチに立つチャンスを、必ず自分の手でつかんでくると思います」と、取り組む姿勢を評価している。

「藤枝に来て、試合経験を積めていることも大きいですし、シジマールさん(GKコーチ)という偉大な方の下で毎日練習ができて、シュートに対してより身体を伸ばしきって止められるようになったり、GKのスキルの面でも伸びていると感じています」と語る田口。もしも今節で再び出番をつかんだら、
「チームとして北九州戦から無失点の試合が7試合ないので、まずは失点を0で抑えることを目指したいです。とくに相手はセットプレーが強いので、そこに対して自分が良い準備をして、ボールに向かってチャレンジしていくのか、ディフェンスに任せるのかという判断をしっかりできるようにしたいです。そのうえで、ビルドアップにも積極的に絡んで、ボールを運ぶという自分の特徴も自信を持って出していきたいです」と力強く語る。
今節でセットプレーもしっかりと守り切って無失点で勝つことができれば、田口だけでなくチームとしても大きな自信と勢いを手にすることができるはずだ。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第28節
10月22日(日)13:00KO エコパ
藤枝MYFC vs SC相模原