【FC東京 vs G大阪】 ウォーミングアップコラム:徳永悠平と石川直宏の味スタラストマッチ 2(22)と18と共に歩んだ日々

2017年12月1日(金)


鼻をたらしてボールを追い掛けてるころから、両親には「男は人前で泣くな」と、教わった。だから、どんなに2人との別れが寂しくても僕は泣かないはずだ。

一つの時代が終わる――。在籍16年のMF石川直宏が現役を引退し、特別指定選手時代を含め14年のDF徳永悠平が、来季から地元・長崎へと活躍の場を移す。

FC東京が次のステップへと進む時、いつも彼らと共に歩んできた。だから、いることが当たり前だった。ナオは、いつも自分の思いをストレートな言葉に乗せてきた。火傷するほど、熱い思いをいつも吐き出してくれた。悠平は口下手だが、その優しさや細やかな気遣いでチームを支えてきた。時折、ポツリとつぶやく言葉に、何度もハッとした。

「自分の番号にしたい」と言い、背番号18に強いこだわりを持ってきたナオ。「このクラブの中心として熱い思いを持ってきた人たちの思いを背負いたい」と、25から2、そして22番と背番号を変えてきた悠平。性格もプレースタイルも対照的だったが、このクラブが前進するためには不可欠な両輪であり続けた。

多くの記憶に残るプレーをした、ナオは、一方で多くのけがに泣かされた。派手さはないが、抜群の安定感を誇った悠平は、青赤史上最多のJ1通算358試合に出場してきた。

その2人は長年、コンビを組んできた。イケイケ、ムービング、カテナチオ…どんなに時代が変わろうと、東京の右サイドは奔放なスピードスターと、堅実なDFの居場所であり続けた。
だからこそ、2人のこのクラブへの愛情は深い。その彼らにとって、明日の今季J1最終節G大阪戦が青赤を着て臨む最後の味スタでのゲームとなる。

試合後にはセレモニーが予定されており、2人はマイクの前に立つ。「伝えたいことはあるけど、その時、思ったことを伝えようと思う。まずはプレーで見せて、言葉に思いを乗せて届けたい。絶対に泣いちゃうから、みんなにも泣いてもらうよ」とナオが言えば、悠平は「真っ白になったらいけないので、(スピーチの)紙は用意しようかなと。ちゃんと思いは伝えたいので。俺は九州男児だから泣かないと思うけど、まあそこは見ておいて下さい」と、それぞれらしい答えが返ってきた。

ただし、正反対の2人は同じ思いでいる。
「最後まで勝利に全てを捧げたい」(石川)
「最後も、チームが勝つためにプレーしたい」(徳永)

個人的にも、同学年のナオと、2つ下の悠平への思い入れは強い。付き合いは、10数年にも及ぶ。食事にも行ったし、膝をつき合わせて真面目な話も、軽口もたたきあった。間違いなく、2人を誰よりも取材してきた。本当に最高で、気持ちのいい仲間だ。

だけど、明日は泣かない。ただし、その2人のあいさつを目に焼き付けたいから、最近買った大きめのサングラスを荷物の中に忍ばせておこうと思う。きっと西日が邪魔になるから。

文:馬場康平(FC東京担当)


明治安田生命J1リーグ 第34節
12月2日(土)14:00KO 味スタ
FC東京 vs ガンバ大阪

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