【清水 vs 仙台】 ウォーミングアップコラム:3試合で2ゴール2アシストの2万ゴール男。金子翔太の絶好調の秘密とは?

2018年3月17日(土)

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昨年4月21日の川崎F戦でJ1通算2万ゴール目を決めて、一躍全国区で名前が売れた金子翔太(写真)(22歳)。その後、昨季はチームの不振もあって26試合出場/4得点にとどまったが、今季は第3節までフルタイム出場を続け、2ゴール2アシスト(得点ランク首位タイ)。記念ゴールとは関係なく、注目すべき存在となりつつある。

しかも、金子が貢献しているのは得点に絡む仕事だけではない。守備でも見ていて頭が下がるほど献身的にハードワークし、走行距離はつねにチームのトップ3以内。とくに第2節・神戸戦では、走行距離が1位でスプリント回数も2位と走りまくったうえで1ゴール1アシスト。疲労がピークにきている82分に決めた今季初ゴールは、昨年までは見られなかったほど冷静に相手を外して、利き足ではない左足で正確なコントロールシュートを決めた。
金子の後方には、プロ2年目でセンターバックが本職の右サイドバック・立田悠悟(今季の開幕戦がJ1初出場)がいるが、「金子くんがすごく守備をしてくれるので、そのおかげで何とかやれています」(立田)と、不慣れなポジションで奮闘するU-21日本代表の手助けにも惜しみなく動き続けている。

そんな金子の好調さの理由の第一は、「始動時からずっとコンディションが良くて、身体の動きや切れも良くなっているので、それが試合に出ていてうれしく思います」(金子)という部分だ。今季は年明けから日本代表・長友佑都が実践している「FLOWIN(フローイン)」という体幹トレーニングをずっと継続しており、自ら始めた新しい取り組みの成果も徐々に感じつつあるという。元々持久力はチームトップクラスだが、運動量だけでなく切れやスピードも伴っていることが、今季の大きな進化と言える。
また、年齢や実績に関係なく純粋にパフォーマンスで選手を選んでいるヤン・ヨンソン新監督が、金子を90分間プレーさせていることも大きいと本人は言う。
「運動量も自分の長所のひとつなので、終盤に相手の足が止まってきたときに自分の良さを生かしたいですし、きつい上下動とかワンツーとかプレスバックとかも最後まで続けたいと思っています。90分出ることによって自分の良さをチームにより還元できると思うので、監督にすごく感謝しています」

また守備に関して補足したいのは、スキルの面でも確実に進化が見られることだ。とくに目立つのは、1対1でボールを奪う能力とセカンドボールの予測力が高まっていること。そのおかげで中盤でボールを奪ってからのショートカウンターが増え、クリスランへのサポートも良くなっている。
「ボールを奪うのは元々好きなほうですけど、試合前に相手選手を映像で観て、このタイミングで切り返してくるとか、ファーストタッチにゆるさがあるとか特徴を把握してますし、自分が相手だったらこうするなと考えながら守備をしているので、それがハマっていると思います。セカンドボールの予測も、日頃からずっと意識しながらイメージしながらやっていますし、身体も動かすし頭も動かすということを大事にしています」(金子)
肉体だけでなく頭脳面でも進化していることが、良い守備から始まる攻撃にも大きなプラスになっているのだ。

そうした目立たない部分での貢献を十分すぎるほどこなしたうえでの2ゴール2アシスト。2014年にJFAアカデミー福島から清水に加入してプロ5年目。昨年までは運動量や献身的な守備が持ち味として先に伝えられることが多かったが、プロ入り前は技術の高さや得点力がもっとも注目されていた選手だ。
実際、高校2年時(2012年)にはプリンスリーグ東北1部で得点王、3年時にはプレミアリーグEASTで得点王と、点取り屋として大活躍していた。昨年まではその特徴を発揮しきれていなかったが、J1の試合の中でも余裕ができ始めた今季は、本来の得点力が開花しつつある。
「ゴールへの欲が減ったところが大きいですかね(笑)。(昨年までのように)FWで出るとゴールが求められる部分が大きいですし、自然とその意識が強くなりますが、サイドハーフだと『絶対にゴールを決めなきゃ』という意識ではやってないので、逆に良い意味で力が抜けて冷静さを出せていると思います。それと、僕は点を取ったりゴールに絡んだりすると“乗る”タイプなので(1試合で)複数得点も狙っていきたいです。ただ欲張りすぎるのではなく、守備とかやるべきことを全部やったうえで、少しだけ欲を出していくぐらいのほうが伸び伸びできて良いと思っています」(金子)

今回彼から話を聞いた中で印象に残った一言がある。
「攻守にわたって替えの効かない選手になりたいんですよ」
自分のプレーのあらゆる面で「もっともっと」と進化を追求する欲張りな選手だ。ただ、それがチームにとって大きなプラスになっていることも、今の清水にとって“替えの効かない選手”になっていることも間違いない。
昨年8月以来のアイスタでの勝利(リーグ戦)を実現するためにも、彼がこれまで通りの働きを見せてくれることが欠かせないはずだ。

文:前島芳雄(清水担当)


明治安田生命J1リーグ 第4節
3月18日(日)14:00KO アイスタ
清水エスパルス vs ベガルタ仙台
IAIスタジアム日本平(清水エスパルス)
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