【G大阪 vs 名古屋】 ウォーミングアップコラム:長いリハビリを乗り越え、想いを込めて突き刺した、藤本淳吾のスーパーゴール

2018年5月15日(火)


5月12日に行われた明治安田生命J1リーグ第14節の横浜F・マリノス戦。後半からピッチに立った藤本淳吾(写真)は出場からわずか7分後の52分。自陣、センターサークル内から狙いをすませて左足を振り抜く。すると、そのボールはペナルティエリアの外に出てきていたGK飯倉大樹の頭上を越えてゴールへーー。距離にして約60メートル。本人にとっては昨年の5月14日以来、約1年ぶりとなるゴールだった。
「今季のマリノスは、ああいう失点が多いと知っていて、実際に打ったら入ったみたいな感じ。直近のルヴァンカップ・サンフレッチェ広島で『打てば点が入る』ってことを、食野亮太郎や妹尾直哉ら、若手選手から教えられている気がしていたので、思い切って打ちました。あんなゴールはもうないでしょ。一生に1回ですよ(笑)」。

昨年8月、右足前十字靭帯を断裂し、全治8ヶ月と診断された。自身にとっては、清水エスパルス時代の08年7月以来となる大ケガ。当時も復帰までに約8ヶ月を要し、かつ自身のプレーを取り戻すまでに、そこからさらに約7ヶ月もの時間がかかったという経験もあってだろう。受傷してすぐは当時のリハビリがトラウマとなり「サッカーをやめようかな」という思いにもかられたが、結果的には思いとどまり、手術に踏み切る。そこからコツコツ、コツコツ。日々、右足に話しかけながらケガと向き合ってきた。リハビリの最中には、断裂した靭帯を太もも裏から移植した影響で、その腿裏の筋が再生してくるまでは肉離れに苦しめられたりもしたが、藤本は当初の診断通り、受傷から8ヶ月の時を経て戦列復帰を果たす。サッカーを出来る喜びは大きかった。

「サッカーをやめなくてよかった。やっぱり僕はサッカーが好き。今はボールを蹴れるのがすごく嬉しいし、楽しい」

そう話したのは途中出場の試合をいくつか経て、先発のピッチに返り咲いてから。もちろん、復帰して1ヶ月間は再発の可能性が大きいケガだということもあり「無理はしない」と言い聞かせながらプレーしていたが、4月21日の『大阪ダービー』で、その『心のブレーキ』を外すと決めてからは、ただひたすらに「チームの勝利」だけを目指し、かつ『周囲を活かす役割』も意識しながら、ピッチで躍動を続けてきた。

そんな中で決めた、完全復活を告げる左足でのスーパーゴール。苦しみ、もがき、乗り越えた時間の分だけ、喜びはとてつもなく大きかった。

文:高村美砂(G大阪担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 第6節
5月16日(水)19:00KO 吹田S
ガンバ大阪 vs 名古屋グランパス

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