【横浜FC vs 山形】 ウォーミングアップコラム:南雄太、三ツ沢の涙の真実

2018年7月6日(金)


6月24日の甲府戦。チームは1-0で見事な勝利を飾り、1か月半ぶりのホームでの白星にスタンドは「雄太さん、おかえり!」という声とともに、大きな歓喜に包まれた。その勝利に大きく貢献したベテラン守護神は、自然と溢れる涙をユニフォームで拭い、顔を覆った。その彼の涙は、ここまでの苦悩の大きさを感じた瞬間でもあった。 
 
39歳の守護神は、昨季の2月の開幕戦で負傷。その後、4月中旬で、「7~8割の状態(南)」で復帰したものの、「これまで、大きいケガというケガをしたこともなかったので、騙しながらやっていた」彼に、すぐに2回目のケガが襲いかかった。そこからの3ヶ月半は想像を絶する日々。
「左の膝周りが真っ直ぐに伸びなくて、立ち上がることが出来ない状態でした。階段の昇り降りも、椅子から立ち上がることすら出来ない状態だった」という。

サッカー選手である以前に、今まで出来ていたことが出来ず、「普通」の生活が送れない状態は、彼の脳裏に「引退」の二文字をチラつかせたことは言うまでもない。
彼の昔からの活躍を知れば、40歳を目前にした今の活躍、ケガからの復帰は何の不思議もないが、昨年の今頃を見れば、今、こうしてまたゴールマウスを守っていることは自体が奇蹟的なことと言っても過言ではないのかもしれない。

昨年はその開幕戦の1試合のみの出場。そして今季も復帰まで時間を要し、明治安田J2第18節アウェイの大宮戦(0●4)で、ようやく戻って来ることが出来た。復帰後、ここまでの間、どんな気持ちでリハビリに励み、どう気持ちを保っていたのか?と尋ねたとき、こんな答えが返ってきた。
「離れている間でも、常に何かチームのために…とは常に思っていました。試合に出ていても、出ていなくても、同じ振る舞いをすることは心掛けていましたし、チャンスが来た時に力を出せるようにと思っていましたね。でも陽平(高岳陽平・鳥栖)も試合に出て伸びてきたし、若い選手の成長のスピードを間近で感じながらも、色々なことを客観的に見れていたかなとは思います」と。

苦しみ抜いた分、甲府戦での勝利は大きな喜びに包まれた。
「自分が大宮戦で復帰してから、なかなかチームが勝てていなかったですし、その中でああいった勝ち方が出来て。そしてホームでプレーしたのも、去年の開幕戦以来だから1年4か月、本当に久しぶりで、勝った瞬間、色んなことが頭をよぎりました。ああいう時って、辛かった時のこととか思い浮かぶんですよね。自分がサッカーできなかったり、(練習場横にある)体育館の階段を昇ったりしてたことを思い出したら(涙が)…。まぁ泣いてないですけどね!(笑)」

最後に、今後に向けて、こう話してくれた。
「1試合1試合ベストを尽くして、チームの勝利に貢献するということは今までと変わらないですね。でも、そんなに先を見てサッカーはやっていないので(笑)、目の前の1試合を、目の前の1日の練習を100でやれるように意識して。そして、きっとそれが先に繋がっていくのだと思うので」と。
 
彼がピッチに戻ってきてから既に5試合。復帰直後の大宮戦以外では、無失点で試合を終えている。明日の山形戦でも、崖っぷちから這い上がったベテラン守護神が魂の戦いを見せてくれることだろう。

文:浅野有香


明治安田生命J2リーグ 第22節
7月7日(土)18:00KO ニッパツ
横浜FC vs モンテディオ山形
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
みんなの総合評価 (4.1)
臨場感 (4.6)
アクセス (3.6)
イベント充実 (3.5)
グルメ (3.0)
アウェイお楽しみ (2.9)

スタジアムナビ