【秋田 vs 群馬】 ウォーミングアップコラム:周囲への発信力を高める日髙慶太が「チームを勝利に導ける選手」を目指す

2018年10月6日(土)


前節の鹿児島戦。秋田は開始早々に先制されるも、後半開始直後に追いつく。その後、相手に退場者が出たこともあって秋田は攻勢を強める。76分、アンカーとして先発出場した日髙慶太(写真)がPA手前に進出し、ミドルシュートを放った。しっかりと抑えのきいたシュートは弧を描いてゴール右隅に向かったが、GKのファインセーブに阻まれた。その瞬間、普段はクールな印象が強い日髙が天を仰ぎ悔しさを露わにしていた。

それだけではない。日髙は中盤の底でチームの攻守をコントロールするシーンが多いが、この試合は攻撃参加が目立った。前半終了間際には右サイドの深い位置まで攻め上がりクロスを上げた。56分と81分にはカウンターのチャンスで前線に向けて疾走するなど、勝利への意思が伝わるようだった。

「本当に勝ちたかったので、勝ちに対する気迫をもっと自分が発信しなければと感じていました。点が取れなかったとか、点が入ったときとか、そうした場面でチームを鼓舞したり、1回締めなおしたりをいまは意識してやっています」

日髙が球際の競り合いで体を張るシーンも増えた。「球際の勝負もやらなければいけない。去年まではそこが課題に挙げられて出場機会を得られなかったこともあります。やっぱりそこでも自分が見せないとチームに空気感を伝染させていけないし、まだまだ伸ばさなければいけないポイントです」

中断期間明け以降で秋田が採用した[4-1-4-1]のアンカーは、日髙にとって初めてのポジションだった。「シュウさん(間瀬秀一監督)にも言われるんですけど、いままでやってこなかったというアンカーというポジションで、自分がもっと伸ばせる部分、改善できる部分は多い。それを1試合1試合見つめて、トライしてを繰り返しています。毎試合新たな課題が出るなかで、成長しながらやっていかないと」という。

そんな日髙が思い描くのは「チームを勝利に導ける選手」だ。「その逆算から考えると、精神面でもプレー面でもチームの中心になって、結果を左右できるような選手になりたい」と力を込める。

新しいポジションの特性を理解した上で、自分なりに解釈して成長を図る。その意欲はリーダーシップとなり行動にも現れる。秋田の練習を取材すると、練習後に日髙がチームメートやスタッフとじっくり話し込んでいる姿を見かける。それは課題解決のための取り組みだった。「練習後に移動して食事しながら話すのもいいですけど、気になったり、自分が聞いておかないといけないことをなるべくピッチ上で、練習直後のタイミングで話しておきたいと思っていて。そこで一つひとつ問題を解決していくのを大切にしています」

アンカーというポジションでは多くの選手を動かさなければならず、コミュニケーションを取らないとやっていけない部分が大きくなってきた。さらにサッカーでは事前に話しておけば問題がなかったというシーンが多々ある。それを一つひとつ潰していくイメージだと日髙は言う。10月3日の練習後は、江口直生と千田海人と3人で話し込んでいた。「振り返ると、これまで自分から要求することが少なかった。思っていても言わなくてあとで後悔するのはイヤなので、自分の思っていることは要求して、相手が違う意見をもっていたら話し合って解決策を見いだせればいい。秋田の選手は話したことを理解してプレーに反映させるのは速いほうだと思う。それがすぐ結果につながるかはわからないが、コミュニケーションを取ったぶんだけプラスになると思っています」

必勝体制で臨んだ鹿児島戦は痛み分け。秋田は終了間際に1点を取って勝ち越すも、その直後に鹿児島に追いつかれた。これで3戦連続ドローとなり「決定力」と「試合運び」という秋田の課題を突きつけられた形だが、この2つの要素で日髙が果たす役割は大きい。ただリーグ戦で落とせない状況が続くなか、「これをやれば絶対に勝てる」方法がないのも真実だ。だからこそ日髙は、地道な作業を積み重ねてチームとともに勝点3を目指していく。

文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第26節
10月7日(日)13:00KO A‐スタ
ブラウブリッツ秋田 vs ザスパクサツ群馬
あきぎんスタジアム(ブラウブリッツ秋田)
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