【藤枝 vs 福島】 ウォーミングアップコラム:雑草魂でプロ契約をつかんだ川上盛司。大恩のある福島に成長した姿を見せられるか。

2018年11月2日(金)


昨年は特別指定選手として福島でプレーし、7/22の第18節に藤枝総合運動公園サッカー場でJリーグデビューを飾った選手が、今季は藤枝で活躍している。右ウィングバックの川上盛司(写真)だ。

「福島には本当にお世話になって、プロになるきっかけを与えてくれたチームですし、田坂さん(監督)にも多くのことを教えていただきました。今年のアウェイの福島戦でも先発で出してもらって(63分間出場)なかなか良いところを見せられなかったので、今度こそ良いプレーをして、成長しているところを福島の人たちに見せたいです」

そう語る川上は、栃木県の出身だが中学時代から鹿島アントラーズのアカデミーで育ち、おもにボランチとしてプレーして鹿島ユースのキャプテンも務めた。2014年に仙台大学に進学してからは右SBなど右サイドが主戦場となり、1年時から活躍。4年生となった昨年6月に福島の特別指定選手となって藤枝戦でJデビューを飾ったのは前述の通り。

ただ、ここまでの道のりはけっして順風満帆だったわけではなく、地道な努力の積み重ねで少しずつ勝ち取ってきたものだ。

「プロになるには足りないことだらけというのは自分でもわかっていましたし、技術はあまりないので、うまい人に負けないために何をプラスαすればいいかということをずっと考えてきました。身体も高校まではすごく細かったんですけど、大学に入って吹っ飛ばされるようになって、そこから筋トレもかなりやりこみました。体育大なのでトレーニングの勉強もしましたし、専門の先生にも教わりながら自分でメニューを考えて週2回は欠かさずやってました」(川上)

ただ単にパンプアップするのではなく、瞬発力を高めるトレーニングも多く取り入れ、サッカーに使える筋力を鍛えてきた。その結果として、今の川上は全身にバランス良く筋肉をまとったうえでアジリティのレベルも高く、フィジカルコンタクトも含めた守備での1対1の強さが最大の持ち味となっている。前半戦では1試合しか出場できなかったが、守備を重視する石崎信弘監督の下では10試合連続でフル出場している。

ユース時代からの持ち味である運動量やスタミナもよりレベルアップさせ、走れる、戦える、頑張れるという部分を石崎監督も高く評価している。

プロ入りに至った流れも、まさに一歩ずつだった。練習試合をよくやっていた福島から練習参加に呼ばれ、ひたむきに練習し続けたことが特別指定につながり、栃木にも注目されてオファーを受けた。福島への恩も感じでいたが、栃木は地元クラブであり、J2ライセンスもあるため(当時はJ3だったが今季からJ2に復帰)栃木と契約。

そして1年目ながら藤枝に期限付き移籍し、今季は藤色のシャツでプレーしている。まだ荒削りな部分は多いが、栃木のスタッフも川上の雑草のような強さや成長力に期待して武者修行に出したのだろう。

「本当にちょっとずつの人生というか、ずっと食らいついて頑張ってという感じでやってきて……そこが僕の武器じゃないですけど、人に負けないところですかね。でも、もう23歳ですし、もっともっと成長スピードを上げないと置いていかれるという危機感もあります。今は守備の部分を評価してもらっていますが、攻撃のほうが課題だというのは自分でもわかっているので、そこはもっともっと頑張って、試合でも結果を出していきたいです」(川上)

石崎監督が川上に注文をつけているのも、まさに攻撃の部分。ドリブルで抜いていくタイプではないので、走力を生かしていかに裏をとれるかという部分が大きなテーマとなっている。

「上がるタイミングや(パスを)もらうタイミングをもっと覚えて、裏に出てクロスを挙げてアシストするシーンを増やしたいです。プロになってからはもっと頭を使わないと成長できないということもわかってきたので、今まで以上に頑張るというのは当然ですが、もっともっと頭を使って“賢く頑張る”という部分を意識しています」(川上)

もちろん「サイドでの1対1の守備には自信を持っているので、そこは絶対に負けたくないです」という部分にも磨きをかけながら、課題の克服にも非常に前向きな川上。その雑草魂で着実に成長してきた姿を、福島の恩人たちに結果という形で見せることが、彼自身のさらなる成長にもつながるはずだ。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第30節
11月3日(土)13:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs 福島ユナイテッドFC
藤枝総合運動公園サッカー場(藤枝MYFC)
みんなの総合評価 (4.2)
臨場感 (4.0)
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イベント充実 (2.5)
グルメ (3.3)
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