【柏 vs G大阪】 ウォーミングアップコラム:チーム最年長・栗澤僚一。勝利のために誰よりも厳しく

2018年11月30日(金)


クリさん(栗澤僚一)(写真)があれだけやっているんだから、『疲れた』なんて言えないですよ」

以前、鎌田次郎に疲労について質問を投げかけた際、彼は栗澤のことを引き合いに出してそう答えていた。

そして栗澤自身が、36歳になった今でも「この歳になっても走れること」を自分のストロングポイントに挙げている。

今季のリーグ戦では、栗澤は第14節の川崎F戦と第15節の名古屋戦の2試合に途中出場したのみにとどまっている。練習試合や紅白戦では本職のボランチではないサイドハーフやサイドバックに起用されることもあった。本人としてはもどかしい気持ちもあっただろう。だがそれでも、起用法に対する不平不満を漏らしたことは、私の記憶にはない。

その一方で、チームが勝てないときや、不甲斐ない試合を繰り返したときには容赦なく手厳しい言葉を述べる。一昨年から「甘さがある」「練習から厳しさが足りない」とピッチ上でのチームの甘さや緩みを厳しく指摘。下位に低迷した今季は特に痛烈だった。中でも印象深いのは、AFCチャンピオンズリーグのグループリーグ第6戦、天津権健戦で敗れた直後のコメントだ。

「普通に勝てたとか、もっと点数を取っていればとか、そういうところは普段の練習でしか変えていけない。俺はもっと練習は厳しさを持ってやりたいけど、じゃあ全員がそういう気持ちでやっているのかといったら、そうではないと思う。あまり昔のことは言いたくないけど、昔の方が厳しさはあった。試合に出るために競争して、練習から体と体をぶつけ合って、『俺は試合に出るんだ』という気持ちが練習からみんな漲っていた。そこで初めて試合に出るチャンスをもらって、ACLの舞台に立っていく。だからといって今のチームができないのかといったらできると思うし、全員がそういう意識を持ってやらないとアジアで勝ち抜くのは相当難しいと思う。これを経験というのではなく、この舞台に立つのなら経験とか言っていられないし、この大会に出るのなら立ち上がりから集中して臨まなければいけない。経験だけで片付けるのは俺は違うと思う。みんな一生懸命やっていたと思うけど、結果がついてこない。じゃあまだ足りないとどれだけ思えるか。みんながそういうふうに思っていかないと、今後のリーグ戦も簡単ではないし、そこを引き締めることが大事だと思う」

一歩間違えば、チーム批判とも取られかねない辛辣な言葉ではある。それだけ勝ちに執着し、厳しい指摘をするからこそ自分自身にはより厳しかった。栗澤とは、そういう男である。

2009年に降格を味わうと同時に、2010年のJ2優勝からJ1、天皇杯、ヤマザキナビスコカップと、4年連続でタイトルを勝ち取った経験を持つ。それだけに、どういうチームが勝つのか、逆にどういうチームが負けるのか、それを知るからこそ、チームに甘さが見えたときには、常に警鐘を鳴らし続けていた。チームがその甘さを拭いきれなかった点は、降格を招いた原因の一つでもあるだろう。

前節のC大阪戦前、栗澤はラスト2試合に向けたチームのあるべき姿勢を説いた。

「他力が必要な状況なので、2つ勝っても残れない可能性はある。でもその2試合で自分たちは何ができるのかを見せることは、チームとしても選手個人としても絶対に来年以降につながると俺は思う。2009年は、最後の4試合でそれを見せられたから、降格したけど2010年と2011年につながった」

もはや降格という結果は変えられない。迎えた今回のリーグ最終戦は柏にとって“何もない”状況の試合ではある。その中でも、柏はどういう姿勢で最終戦に臨むべきなのか。

チーム最年長の言葉に、その答えがあるのではないだろうか。

文:鈴木潤(柏担当)


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