【浦和 vs 清水】ACLで強烈なインパクトを残した鈴木大輔、新ディフェンスリーダーとしてJリーグでも輝け!

2019年10月5日(土)


ここにきて、グッと存在感を高めてきた。

最終ラインのレギュラーとしてずっと戦ってきたマウリシオが公式戦2試合連続で出場停止となるのを見据え、鈴木大輔(写真)は大槻毅監督から代役候補として9月4日のルヴァンカップ鹿島戦で抜擢を受けた。そして、9月13日のC大阪とのリーグ戦、17日のACL上海上港戦ではシナリオ通りにその役目を担うと、28日の鳥栖とのリーグ戦ではマウリシオの出場停止処分が明けた中でもスタメンとして名を連ねた。

圧巻だったのは10月2日のACLの準決勝ファーストレグ、広州恒大戦のパフォーマンスだ。実質的に今年唯一、まだタイトルを狙える重要な大舞台でも先発に抜擢されると、その起用が大正解だったことを実力で示した。

ワールドクラスの外国籍選手がひしめく中国スーパーリーグで広州恒大や上海上港のエースストライカーとして活躍し、ACLの常連として日本でもすっかり顔なじみの存在だったエウケソンとマッチアップすると、その狡猾な点取り屋を完全に沈黙させたのだ。

槙野智章、岩波拓也ともコミュニケーションを取って守備網の統率役も担い、広州恒大の強力助っ人トリオに仕事をさせずに2ー0の勝利に貢献した。マン・オブ・ザ・マッチこそ1ゴール1アシストの関根貴大に譲ったが、鈴木も間違いなくMVP級の働きだった。

主力としてずっと最終ラインの守備を担っている槙野智章も、新たなディフェンスユニットに手応えを掴んでいる。

「鈴木選手が真ん中に入ることで岩波選手と僕に対して、前のチャレンジのコーチングができているというのは大きく前と変わったところ。逆に前にチャレンジすることで裏の空いたスペースは彼がカバーする良い連係ができて、3人で意思疎通が図れている」

鈴木本人も「最近、彼らと組むことが多いので、やりながらそれぞれのスタイル、細かい距離感、どのタイミングでラインを上げたいのかとか、どのタイミングでブロックを作りたいのかとか、それが合ってきた」と好感触を得ている。

そうなると、アジアトップクラスの実力者を力でねじ伏せたのだから、Jリーグの残留争いでも敵を鎮圧してくれるはず。つい、そう願いたくもなってしまうが、鈴木はあくまで冷静だ。

「リーグ戦になると、もう少し相手が嫌な、微妙な立ち位置を取ってくる。前線に強烈な個はいないですけど、相手のDFラインの選手が嫌な立ち位置を取ってきたりするので、別ものだと思ってやりたい」

クレバーな守備人がそう指摘するように、ACLとJリーグはもはや別の競技だと考えたほうがいい。広州恒大や上海上港が典型的だが、ACLの強豪クラブでは高額で雇われた助っ人が前線で突出した才能を武器にゴールをこじ開けようとしてくるが、仕掛け自体はシンプルで個に依存することが多く、守備者からすれば組織的な攻撃により判断の迷いを誘われるケースは多くない。守備側も個の能力があれば、対応しやすい。そこは連携、連動を意識する傾向にあるJクラブの戦い方と異なる。

また、強力助っ人たちは守備への関与が乏しく、結果として残りの7、8人で自陣をカバーするという守りになることが珍しくない。対戦相手からすれば広大なスペースが前の前に広がっていて、オープンな展開で個のタレントを活かしやすい傾向にある。これも、FWを含めた組織的守備が常識となっているJリーグとは大きく異なる特徴であり、個性のある選手が揃う浦和が国内で手を焼き、アジアだと躍動できている理由の一つでもある。鈴木はそういった違いを理解しているからこそ「別もの」と慎重な態度を崩さない。

アジアの強敵に完勝しても、フラットな眼で現実を捉えている。浦和は広州恒大戦まで公式戦16試合連続で失点を喫していた。冷静沈着な新ディフェンスリーダーが守備組織を束ね、残留争いを勝ち抜く土台が整備されることを期待したい。

文:神谷正明(浦和担当)


明治安田生命J1リーグ 第28節
10月6日(日)17:00KO 埼玉
浦和レッズ vs 清水エスパルス
埼玉スタジアム2002(浦和レッズ)
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