【横浜FC vs 柏】特殊能力の持ち主、レアンドロ ドミンゲス。かつての恩師が率いる古巣との頂上決戦に挑む

2019年10月5日(土)


前節、アウェイ岐阜戦を引き分けで終えた横浜FC。これで第19節から続く連続無敗記録は16試合となり、J1昇格を果たした2006年に記録した15試合を塗り替えた。ただしここ3試合を連続で引き分けたことでJ1自動昇格圏の2位から後退し、一時は7差に詰めていた首位・柏との勝点差も11に広がった。目標としてきたJ2優勝、J1自動昇格へ、この柏戦が最大の山場と言っていい。

チームは試合の4日前からトレーニングを完全非公開とし、ファンサービスはもちろん取材対応もシャットアウト。大一番に向けて異例の措置を取った。非公開としたのは情報漏れを防ぐとともに、選手やスタッフを試合に集中させたいという意向も大きいだろう。というのも対戦相手の柏に、あまりに縁の深い人物が横浜FCには多いからだ。下平隆宏監督、GKの南 雄太。そしてこの稿の主役、レアンドロ ドミンゲス(写真)もそうだ。

2010年にネルシーニョ監督が獲得を熱望して柏に移籍。柏のJ2優勝に貢献し、翌年にはJ1優勝に導き、自身はJリーグMVPを受賞した。度重なる負傷と、ネルシーニョ監督との関係悪化もあって2014年途中に解雇されたが、それでもニーヤン(レアンドロ ドミンゲスの柏での愛称)にとって選手として最も輝いた時代だったことは間違いない。その柏と、それもネルシーニョ監督の率いる古巣との対戦だ。

レアンドロ ドミンゲスの凄さは、正確なキック、創造性あふれるパスはもちろんだが、それを可能にするポジショニングと初速の速さにある。昨季の第41節の岡山戦の試合後、2−1で敗れた敵将・長澤 徹監督は会見でこんなことを言った。「こっちが攻めているときも、レアンドロ ドミンゲスには注意するように選手には伝えていた。それでも彼はうまく消えて、マイボールになったら絶妙な位置に顔を出す。あれは『特殊能力』と言うしかない」。その特殊能力でボールを受け、見事なコントロールでターンすると、その初速が速い。彼とかつて柏でプレーし、今は東京Vに所属する近藤直也は、「あれで守備は置いていかれる。5〜10メートルの初速の速さならナンバーワンかもしれない」と語る。そのポジショニングと初速の速さで、余裕を持って相手と味方を見ることができる。そして繰り出されるスルーパスからチャンスを演出。昨季も今季も、掛け値なしに横浜FCの攻撃の中心だ。

もちろんネルシーニョ監督が率いてJ1優勝した年の柏も、攻撃の中心はニーヤンだった。近藤はこう証言する。「ネルシーニョのサッカーは徹底して相手に合わせて、人を潰しにくるサッカー。守備にはうるさかったけど、攻撃はレアンドロ任せだった。ボールを奪ったら、まずレアンドロを見る。あいつ、中途半端なところにいて、フリーになるのが本当にうまいから。それでターンして、そこからスピードをグイッと上げてスルーパス出したり。レアンドロに渡ったら、前の選手も信じて動くから」。どのチームにいても、レアンドロ ドミンゲスのサッカーは変わらないのだろう。今は両翼に中山 克広、松尾 佑介という快速ドリブラーを与えられ、「彼らはスピードがあって、自分の特徴である裏へのパスを生かせるから、やっててすごく楽しい。彼らの活躍はすごく嬉しいし、それによってチームが勝てればなおさら良いこと」と、さらに気持ち良くプレーしている。

もちろんこの試合では古巣を相手に大車輪の活躍を期待したいところだが、そこは「徹底して相手に合わせて、人を潰しにくる」ネルシーニョ監督のこと。良い点も悪い点も知り尽くし、しかも過去の因縁もある教え子をフリーにさせてはくれないだろう。実際、累積警告が溜まっていたボール奪取力に優れるボランチのヒシャルジソンを、この横浜FC戦でニーヤンにぶつけるためにここ2試合は温存していたという噂もある。スコアレスドローに終わった4/28のアウェイ戦では、まだ自身のコンディションが上がっていなかった。遠ざかる古巣、そして恩師の背中をつかむため、レアンドロ ドミンゲスがその特殊能力を解き放つ。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第35節
10月6日(日)14:00KO ニッパツ
横浜FC vs 柏レイソル
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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アクセス (3.6)
イベント充実 (3.5)
グルメ (3.2)
アウェイお楽しみ (3.0)

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