【熊本 vs 北九州】短い時間でも存在感を放つ伊東俊。そのプレーが示す、残り5試合で大切なこと。

2019年11月9日(土)


同じ勝点ながら、得失点差では大きく下回る状況で臨んだ群馬との直接対決、結果としては非常に痛い敗戦を喫したわけだが、少なくとも「リードを許したままでは終わらない」という、勝負へのこだわりを体現したプレーがあった。自ら持ち込んでファウルを受けた直後、「右にフリーの選手がいるのが見えたので、早くしたほうがいいと思った」と、伊東俊(写真)はすぐさま起き上がりボールを右へ。この好判断が、87分の黒木晃平の同点ゴールにつながった。
また、残念ながらアディショナルタイムに2失点を喫して敗れた後には、失点に絡む格好となりピッチにうずくまるチームメイトに駆け寄り、自信を取り戻させようと声をかける場面もあった。

今季はコンディション面の関係もあって試合でプレーする時間が短く、なかなかチームに貢献できないもどかしさを感じてもいる。それでも、ひとたびピッチに立てば、その存在感はきわ立つ。どちらかといえば、普段のトレーニングでも試合でも、大きな声を出して周りを鼓舞するタイプではない。しかし、果敢にしかける積極的な姿勢や、クリエイティビティが感じられる意外性のあるプレーは、「何かが起きる」という期待感を抱かせ、勇気を与えてくれる。
それは、チームとして目指すスタイルは理解しながら、時に個の判断でアクセントを加えることができているからであり、高い技術と的確な状況判断、そして豊富な経験がベースにあるからだ。前節の試合後、「チームの決まりごとの中ではだいぶみんなできているので、その中での各自の判断とか、1人1人の少しずつのプラスアルファが大事になるかなと思います」と話しているように、そうした柔軟性やアイデア、あるいは気持ちの余裕が、残り5試合を戦い抜くうえでは必要なのかもしれない。

チーム状況は厳しい。しかし、そうした中で首位を迎える大一番だからこそ、このシチュエーションを楽しめるかどうかーー。伊東のプレーは、そんなスタンスの大切さを示してくれているように思う。

文:井芹貴志(熊本担当)


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