【栃木 vs 大宮】栃木のレジェンド、廣瀬浩二の引退に勝利という花道を。

2019年11月9日(土)


今の栃木は、一人の男の決断で結束力がより高まった状態にある。
「間違いなく、みんなの心がより一つにまとまったと思います。向かう方向がはっきりとした感覚がありました」
田代雅也がそう話せば、大﨑淳矢もこう証言する。
「誰かのためにプレーするほうがパワーは出ると感じました。(廣瀬)浩二さんが引退すると告白したことで、チームの雰囲気がより締まったと思います」

栃木に在籍して10年。その間主将を5年。チームをピッチ内外で牽引してきた栃木のレジェンド、廣瀬浩二(写真)が今季限りでの引退を表明したのは前節新潟戦の直前だった。
仲間たちにその告白したのは新潟戦の数日前。残留圏の20位鹿児島との勝点差が開いた危機的状況下だった。緊急的に仲間たちを集めた廣瀬がそこで引退を告白し、その上で眼光鋭く言った。
「J2に残留して、俺を引退させてくれ」
チームの温度感が上がる瞬間だった。そうして迎えた前節新潟戦のチームには直近の試合以上に鬼気迫る雰囲気があった。闘争心剥き出しの激しい守備でゲームを支配。ユウリの強烈なミドル砲で先制すると、その後に追いつかれながらも粘り強く闘い、後半アディショナルタイムの田代の劇的ゴールで勝ち切った。チームは残留戦線にギリギリで踏みとどまった。

試合直後の引退会見。廣瀬の顔は晴れ晴れとしていた。
「今日の新潟戦の勝利は自分たちが執念で持ってきた勝点3だと思います。それに、今日は新潟からもサポーターが大挙して、サポーター同士の戦いもあったと思います。あの新潟の大勢のサポーターに対して、栃木のサポーターも負けない迫力や声量で応援してくれて、そういうサポーターも含めたピッチ上のチームのまとまりが一丸となって戦うことに繋がったし、それがもたらした勝利だと思います。残りの3試合も引き続き、スタジアム中が結束した力が大事だと思います」
廣瀬がいつ何時でも強調してきたのは「チームのまとまり」だった。15年に栃木がJ3降格という苦境に喘いだとき、チーム、クラブ、そしてサポーターは廣瀬の背中を見ながら一つにまとまり、J2復帰という歓喜を掴み取った。

今節ホームに迎えるのはJ1自動昇格を睨む強敵の大宮だが、栃木がやるべきことは前節同様に変わらない。廣瀬とは栃木で8年間、家族ぐるみの濃密な時間を過ごしてきた菅和範が決戦を前に言った。
「浩二さんにはまずはホーム最終戦を笑顔で終えてほしいと思っています。それは僕だけではなく、チームメイト、クラブスタッフ、サポーター、スポンサー、浩二さんと共に歩んできたみんなにそういう強い思いがあると思う。思いが一つになったときに結果は出ると信じています」

思いを一つにさせる舞台は整った。今季のホーム最終戦。廣瀬浩二の引退の花道を勝利で飾るべく、スタジアム中が一丸となって闘い大宮撃破に挑む。

文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第40節
11月10日(日)14:00KO 栃木グ
栃木SC vs 大宮アルディージャ
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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