【名古屋 vs 鳥栖】冷静に、しかし激熱に身体を張る名古屋の主将。丸山祐市は動じない

2019年11月22日(金)


勝てば残留へと大きく前進する一戦に、名古屋は素晴らしい雰囲気のもとで着々と鳥栖を迎え撃つ準備を進めている。3-0で神戸を下した前節の結果はまさしく追い風となってチームの背中を力強く押し、2週間のトレーニング期間をより有意義なものにもした。フィッカデンティ監督は熾烈なサイドバックのポジション争いについて問われた際、「どんな決断をしても私の決断は“間違ったもの”になるでしょう」とニヤリ。そして他のポジションについても自分を大いに悩ませてくれていると、チームの状態の良さに手応えを口にした。確かに、前節で言えばガブリエル シャビエルやジョアン シミッチがベンチスタートという贅沢さ。しかし、そうは言っても代えの利かない選手はいるのではないかとも思うのである。
 
その一人が、キャプテンの丸山祐市であることに異論の余地はないだろう。今季は負傷の期間を除いた25試合にほぼフル出場し、チームの良い時期も悪い時期もゴール前で必死に身体を張ってきた。フィッカデンティ監督への監督交代後には、かつてFC東京でその指揮を経験した人材としても重宝され、その戦術や動き方の伝道師としての役割も担ってきている。5戦目にして初勝利を挙げ、その成果が出た神戸戦についてもその視点は冷静で、だからこそにじみ出るような手応えが今節への期待も膨らませる。
 
「負けがこんでいる時でもチームの雰囲気は悪くはなかったので、前節で勝ったことで、よりすべてのことが前向きにとらえられるようになったと思います。そしてマッシモのサッカーについても、勝てたことでこのサッカーをやっていれば大丈夫だという自信も持てるようになってきました。先制点が取れればマッシモの求める守備は全員ができますし、神戸戦はそういうところでもより前向きに試合を進められたのかなと思いますね」
 
攻撃で試合をコントロールしていた前体制から、守備でそれをやるようになったところがある現体制への移行も、着実な成果を挙げてきている。丸山もそれを「マッシモのサッカーをみんなが理解できてきたことが、そういう印象になっているのかと思います」と肯定した。守備的では決してなく、相手を手の上で転がすような守備から攻撃、攻撃から守備への切り替えは確かにスムーズになってきており、最初は攻撃時にロングボールを蹴ることの多かった丸山のプレーも徐々に本来のスマートさを取り戻しつつある。最終ラインに安定感が出てくれば、試合も自ずと安定するものだ。鳥栖を「本当に手堅い相手」と警戒する丸山だが、何も恐れてはいない。
 
神戸戦で得た勝点3は残留争いにおいて大きかったが、状況はいまだ予断を許さない。安易な勝点計算は厳禁で、大事になるのは“人事を尽くして天命を待つ”スタンスだ。とにかく勝つ、勝点を稼ぐ、そしてその都度生まれる状況を見る。丸山はキャプテンとしても、主力を担う選手としても、その立ち位置を崩さない。
 
「もちろん次も勝点3を狙っていきます。まだ安心できるような状況でも、残留が決まったわけでもないですから。相手は残留争いをしているチームなのでまた厳しい戦いになると思います。それでも勝てるような準備をしっかりしたいと思います」
 
シンプルな言葉だが、力強かった。鳥栖の速攻、猛攻は予想されても、名古屋のゴール前にはランゲラックという最後の砦と、丸山という高い壁がそびえたっている。サポーターも歌う。「名古屋を守る盾となれ」と。主将にして守備の要の奮起は、残留争いを制する決め手にもなり得るものだ。


文:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J1リーグ 第32節
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