【浦和 vs G大阪】関根貴大の矜持「個人としては自分の良さを最後まで出し切れるように」

2019年12月6日(金)


切り替えなければいけない。息つく暇もなく重要な試合がやってくる。頭では分かっている。だが、心の整理は理屈通りにはいかない。

アジア王者になるために心血を注いできた。自分の存在価値はその大目標を達成することで証明する。そのために浦和に戻ってきたという自負もあった。それだけに、ACL決勝で完敗を喫した直後に、J1残留のための一戦に臨むという落差の大きな状況と向かい合うのは、関根貴大にとって非常に難しいものだった。

だが、76分にピッチに出ていった時、心に掛かっていた霧はもうすっかり晴れていた。「自分の中でも整理をするのが難しい1週間でした。でも、このピッチに入ったときに、あれだけのサポーターがいて、あれだけの声援を送ってくれたので、サポーターも皆、切り替えているなと思いましたし、自分たちもしっかりやらなきゃいけないという思いになりました」。常に後押しを惜しまぬサポーターの存在がここでも背中を押してくれた。

浦和の、そして自身のキャリアの再起も誓って海外から戻った関根は、その唯一無二の突破力を武器にすぐに強烈な存在感を示した。当初懸念されたコンディションも瞬く間に上がり、本人も「すぐにフィットできました」と手応えを口にしていた。

ただ、その卓越した個の力は浦和の数少ない光明となった一方、なかなか調子が上向かないチームにあって散発的な輝きにとどまり、次第にチームの淀んだ流れに飲み込まれるかのように光量も弱くなっていった。

個で違いを作っても、組織的なメカニズムの乏しいチームにあって局面の打開にとどまってしまう。守備での奮闘も目立ったが、そこで戦えれば戦えるほど本来の持ち味を発揮できる場面からは遠のいていく。それでも戦うことはやめなかったが、敵だけではなく、ジレンマとの格闘も続いた。

「入りは悪くはなかったかなと思いましたけども、悪い意味で流れに流されて、パフォーマンスも落ちてきました。自分の良さを出しながら、でも求められることは自分のやりたいことだけではないので、そこの難しさはやっていて感じました」

数字上こそ可能性は残すものの、最終節は他会場ですべて不利な条件が整った上で、さらに10点差負けを喫しでもしない限り、浦和の降格はない。現実的に、ほぼ残留は決まったと言っていい。G大阪戦はタイトルや残留、そういったものはもう何もかかっていない。この一戦にかけるのは、浦和の選手としてあるべき姿を見せるというプライドだ。

今やれることは最後にサポーターに少しでも喜びを届けること、そして自分の力を証明すること。「もちろん勝ちに行きたいですし、個人としては自分の良さを最後まで出し切れるように、チームとして上手くいっていない中で、どれだけ自分がやれるかというのを見せられれば」。今季最後のホームゲームで背番号41がサイドを蹂躙する。

文:神谷正明(浦和担当)


明治安田生命J1リーグ 第34節
12月7日(土)14:00KO 埼玉
浦和レッズ vs ガンバ大阪
埼玉スタジアム2002(浦和レッズ)
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