【秋田 vs 熊本】相互理解が成長のカギ。江口直生がセットプレーのタクトを握る

2020年8月8日(土)


今季の秋田はセットプレーで得点が取れている。ここまでの16得点中7点がセットプレーを起点として生まれたものだ。吉田謙監督はその要因について次のように話す。

「全員で同じ絵を描かない限りセットプレーで点は奪えない。そういう準備をチーム、選手、スタッフみんなで信じ合ってやれているのが大きい」

好調なチームにあって、相手にとってセットプレーをより危険なものにしているのが江口直生だ。ここまで挙げた2ゴール4アシストのうち、1ゴールは前節YS横浜戦の決勝点となった直接FK。そして4アシストのうち3つはCKで、1つは直接FKでもぎ取っている。第2節の福島戦では、渾身の直接FKが相手GKの手を弾き、井上直輝のゴールをもたらしていた。

その江口に「なぜセットプレーで点が取れているのか」と聞くと、吉田監督と同じように、チーム一体となって取り組めていることを挙げた。「秋田は背が高い選手が多い。このストロングポイントを活かすための配球とボールの質などを含めて話し合い、スタッフがしっかり理解してくれている。それが得点につながっていると思います」

江口は昨シーズンとの対比にも触れる。昨シーズンは細部を詰めるチームの方針を優先し、江口が狙いたい場所などの意図を抑えた場面があったという。一方、今シーズンは江口自身が思うことを受け入れ「やりたいようにやらせてもらっている」と話す。

選手の考えを受け入れるポイントとして、吉田監督の指導がある。江口によると「吉田監督は選手をリスペクトして意見を聞き、批判をせずに前向きなアドバイスをくれる」という。さらに「吉田監督は目の前の1試合に勝つために、まず『目の前の敵に走り負けるな』という根本的なことを求める。簡単に言えば、そこで負けなければいい」というのだ。たとえば目の前の敵に1人が競り負けると、別の味方がカバーに行く必要がある。攻撃時であれば、相手を一つひとつの局面で戦って上回れば秋田にチャンスが生まれる。こうしたシンプルだが普遍的な要素の積み重ねが、セットプレーでの結果につながっているのだろう。

さらに江口は続けた。江口は2018年、2019年とセットプレーで自身が100%のボールを蹴った実感があり、中の選手も合わせてくれているのに、シュートがゴールに入っていないシーンが多くあったという。イメージどおりに行かず苦しい思いを経験したが、今シーズンは相互理解を深めた選手たちが飛び込んでくれる。「自分のボールの軌道を見極めて入ってきてくれる。それが合うようになってきている」と見る。

江口のアシストの受け手を振り返ると、秋田で4シーズンをともに過ごす韓浩康と千田海人、そして3シーズン目となる中村亮太だ。こうした結果も江口の言葉を裏付ける。もちろん江口自身もそうした選手たちの特長をしっかり把握し、より精度を高めるために、練習のときから厳しく要求し合う。吉田監督のもとでシーズンが進めば、さらに可能性が高まりそうだ。

そして相互理解の深まりは流れの中のプレーでも強みとなるはず。セットプレーの精度向上により、相手は自陣で厳しいチェックがしづらくなる可能性もある。江口もそのことを認め、「前の選手の良さがより出てくれるとうれしい」という。

リーグ序盤戦の大一番となる今節の熊本戦。一体感を増すチームのなかで、江口がどのような攻撃を展開するのか。注視していきたい。


文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第9節
8月9日(日)18:00KO ソユスタ
ブラウブリッツ秋田 vs ロアッソ熊本
ソユースタジアム(ブラウブリッツ秋田)
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