【大宮 vs 岡山】長いリーチと日本語と――守護神クリャイッチが駆使する2つの武器

2020年9月4日(金)


ゴールキーパーは活躍しないほうがいいポジション、などと言われることがある。ゴールキーパーが目立つということはそれだけ攻められているわけで、その言葉には一理あるが、一方で、ゴールキーパーのビッグセーブが守備陣を鼓舞し奮い立たせ、チームを勝利に導くこともある。

2020明治安田生命J2リーグ第16節、京都戦で大宮ゴールを守り切ったフィリップ クリャイッチのプレーはまさにそれだろう。0-0で折り返した後半立ち上がり、味方DFのバックパスが中途半端になったところを京都FW李忠成に狙われるが、長身を生かしシュートブロック。その直後のコーナーキックから再び李が放ったヘディングシュートも弾き飛ばした。最大のピンチをしのいだ守備陣はその後も粘り強く京都の攻撃を跳ね返し続ける。その粘りが試合終盤、戸島章の決勝点を呼び込んだことは間違いないだろう。

高木琢也監督も「あれだけリーチがあるので、ゴールマウスのすみに打たれても弾ける選手。彼はそういうところでの計算ができる」と信頼を寄せる。強みと自負する長身を生かした守備範囲の広さのなせる業だが、それだけではない。

「ゴールキーパーとしてとても大事なことは、落ち着いて、いいポジションを取ること。もちろん飛んできたボールに対する反応も重要だけど、その準備としてのポジショニングと落ち着きが大切だと思っています」。横っ飛びのスーパーセーブ、というのは意外に少ない。予測と心構えがしっかりとできているからに他ならない。

そのポジショニングを導く守備陣との連係も、日を追うごとに深まっている。「何か新しい単語を聞いたら通訳に意味を聞いたり、といった基本的なところから、試合ごとに1つずつ何かワードを増やしていったり、意識的に考えてトライしている」と日本語も積極的に学び、試合中のコーチングの声は日本人選手と何ら変わらないようにも聞こえる。名古屋在籍時にやはり外国籍のランゲラックとのプレー経験もある畑尾大翔は「ランゲラックよりも日本語を使っている。フィリップが日本語を覚えてくれて、いいコーチングをしてくれるから、いい意味で何も感じない。日本人の選手が後ろにいるのと変わらない感じでできている」と安心感を口にする。こうしたコミュニケーションの密度が、失点数で2位タイの少なさという守備の強固さにつながっている。

京都戦の勝利でチームは6戦未勝利を脱出した。「今日の勝利がまた自分たちをこれからいい方向に導いてくれるのではないかと思っている」。

まだシーズンは半分も終わっていない。反撃はここからだ。


文:土地将靖(大宮担当)


明治安田生命J2リーグ 第17節
9月5日(土)19:00KO NACK
大宮アルディージャ vs ファジアーノ岡山
NACK5スタジアム大宮(大宮アルディージャ)
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